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ちゃんとしない。面白いことからやる。

自分を理解し意見を発信することが人生を切り開く:書評「自分の意見で生きていこう」

ちきりん氏が過去10年に及んで実践してきた、「自分の意見にとって選んできた、自分だけの人生」の作り方の解説本。

自分がどのような意見を持っている人間なのかを知るために、まずは情報を元に考えたこと・感じたことを整理しまとめることで、自分を理解し自己肯定を行うことができる。 また、自分が深く理解しているまとまった自分の意見を外部に発信することで、承認欲求を満たすことができる。

自分の内面情報を広く深く他者に伝えることはとても時間がかかるので、かつては近しい人しか自分の本質を理解することができなかった。だが、ネットを用いて自分が考えたこと(意見)を発信することで、理解者を数多く作ることができる。これがコンテンツにもなり、人生を切り開くツールにもなる、という話。

当時から私の日記は(中略)行動の記録ではありませんでした。そうではなく「今日はこのコトについてこう考えた」とか、「今日知ったある事件について、こう感じた」という、自分の感情や思考の記録だったのです。 (中略) そうすることのモチベーションはどこにあったのでしょう? 端的に言えばそれは「自分で自分という人間を理解したい」という欲求に基づくものでした。つまりは自分自身のため、「自我の確立のため」だったのです。(P163)

という下りが目からウロコでした。自分という人間を理解するプロセスを考えたことがありませんでした。

「自分の考えていることを自分で理解するために思考を整理し、それを発信することが理解者の獲得につながり、それこそが人生を切り開いていく」というシンプルなメッセージなのですが、著者の実体験に基づく自伝のようなものであることから説得力を感じます。

自分には、意見を外部に発信することをリスクと感じ、なるべくオリジナルの意見を出さないようにすることで周囲に同調して軋轢を避ける、という生き方をしてきた部分があるのだと気付かされる本でした。

まずは自分から、「こういうことに興味がある!」「自分の考えはこうだ!」と発信してみるのです。そうすれば、「実は自分もそれについて興味がある。しっかり考えてみたかった!」という人が身近な場所からもきっと見つかることでしょう。 (中略) そうすれば人生はごく自然に「自分の意見にとって選んできた、自分だけの人生」になっていきます。そして、「自分でしっかりと考えてこの道を選んできた」という自覚こそが人生に誇りと自信を与えてくれるのです。

という提言に完全同意。

今後は意見を明らかにし、なるべくポジションをとるように動いていこうと思います。